「耳鳴りと片頭痛の症状は、どうして一緒に起きるの?」「耳鳴りや片頭痛を治したい」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
耳鳴りと片頭痛は、症状が現れるメカニズムが似ているため、症状が同時に出現します。
「いつものことだから」と症状を放置していると、耳が聞こえにくくなったり、片頭痛が慢性化してしまったりする危険性があるのです。
この記事では、耳鳴りと片頭痛の関連性や原因、セルフケアなどを紹介します。
最後まで読むと、耳鳴りや片頭痛に悩まなくなり、自分らしい生活を取り戻せるようになるでしょう。

耳鳴りと片頭痛の症状には関連性がある

耳鳴りと片頭痛の症状には関連性があります。
耳鳴りの症状がある方の26~49%は、耳鳴りと同時に片頭痛の症状が現れる傾向です。[1]
また、頭痛の症状を持っている方の12~26.6%は、頭痛と同時に耳鳴りの症状が現れると言われています。[1]
耳鳴りと片頭痛の症状が現れるメカニズムが「血流が悪くなる」と共通しているため、症状が同時に現れる可能性があります。
また、片頭痛は三叉神経(脳神経の一つ)が刺激され、神経伝達物質が放出することも、症状が出現する原因の一つです。[1]
放出した神経伝達物質が内耳の受容体に取り組まれると、内耳症状(耳鳴りや難聴など)が現れることがあります。[1]
血流が悪くなることや神経伝達物質の放出など、症状が現れる過程が似ていることから、耳鳴りと片頭痛の症状には関連性があると言われています。
片頭痛の前兆として耳鳴りの症状がある
片頭痛の前兆として、耳鳴りが現れることがあります。
片頭痛の耳に関する前兆は、以下が挙げられます。[1]
- 耳鳴り
- 耳閉感(耳が詰まっているように感じる)
- 難聴
3つの症状のうち、最も多く現れるのが耳鳴りです。
片頭痛の前兆は、毎回同じ症状が現れるわけではありません。
体調の変化に気づけるように、普段から意識を向けていると早めに対処できる可能性があります。
「前回は、片頭痛が始まる前に耳が聞こえにくくなった気がする…」などと心当たりがある方は、普段から体調を意識してみましょう。
耳鳴りと片頭痛の4つの原因

耳鳴りと片頭痛の主な原因は以下の通りです。
- ストレスが溜まっている
- ホルモンバランスが乱れている
- 病気が隠れている
ご自身の生活習慣や体調と照らし合わせながら、読み進めてみてください。
ストレスが溜まっている
ストレスが溜まっているのは、耳鳴りと片頭痛の原因の一つです。[2][3]
ストレスを感じると、体が緊張状態(交感神経が優位になる)になり、血圧が上昇します。
その結果、脳や内耳の血管に負担がかかり、耳鳴りや片頭痛の症状が現れます。
「悩みごとがたくさんある」「仕事が忙しい」という方は、ストレスが原因で耳鳴り・片頭痛が出現している可能性があるでしょう。
ホルモンバランスが乱れている
ホルモンバランスの乱れも、耳鳴りや片頭痛の原因の一つです。
ホルモンバランスの乱れによる耳鳴り・頭痛は女性に多く見られます。[4][5]
女性ホルモンであるエストロゲンは、血管の収縮・拡張、痛みの感じ方にも関与しています。
そのため、ホルモンバランスが変化する以下の時期に、片頭痛が出現しやすいです。[6]
- 月経周期
- 妊娠
- 更年期
また、ホルモンバランスの乱れは自律神経にも影響を与えます。
自律神経は内耳の血流調整にも関わっているため、ホルモンバランスが乱れは、耳鳴りの原因の一つです。
「生理前は頭が痛くなりやすい」「更年期に入ってから耳鳴りがひどい」という方は、ホルモンバランスの乱れによって、耳鳴り・片頭痛が起きている可能性があります。
病気が隠れている
耳鳴りや片頭痛の原因として、病気が隠れていることもあります。
考えられる病気は以下の通りです。[7][8][14]
- 硬膜動静脈瘻
- メニエール病
- 脳腫瘍
- 顎関節症
例えば、硬膜動静脈瘻を発症していると、脳や頸部(首周辺)の血管が圧迫されて耳鳴りや頭痛が出現します。
当院のホームページでも紹介しているため、参考にしてください。
これらの病気にかかっていると、耳鳴りと片頭痛が起きる可能性があります。
「耳鳴りや頭痛はいつものことだから」と放置せず、心配な方は早めに頭痛外来を受診しましょう。
耳鳴りと片頭痛の症状が出現した時の対処法

耳鳴りと片頭痛の症状が出現した時は、以下の方法を試してみてください。
- 暗くて静かな部屋で安静にする
- 水分補給をする
対処法を確認しておくと、症状が出現した時に早めの行動ができます。
それぞれ詳しく解説します。
暗くて静かな部屋で安静にする
耳鳴りや頭痛が出現した時は、暗くて静かな部屋で安静にしましょう。
片頭痛の症状が現れている時は、光や音に敏感になっている傾向があります。[9]
照明を落とした静かな部屋で横になることがおすすめです。
仕事中の場合は、暗い部屋で安静にするのは難しいかもしれません。
可能であれば少しの間だけでも目を閉じて、リラックスすると良いでしょう。
水分補給をする
水分補給をすると、耳鳴りや片頭痛が治まる可能性があります。[10]
水分を摂ることで、血流が良くなり頭や内耳にも血液が流れるようになるからです。
普段から水分を意識的に摂っていると、耳鳴りや片頭痛の予防にもなります。
水分補給をするときは、水や白湯、スポーツドリンクが良いと言われています。
カフェインやアルコールは血管に影響を与えてしまい、症状が悪化する可能性があるため控えましょう。[11]
耳鳴りと片頭痛を引き起こさないようにするセルフケア

耳鳴りと片頭痛の症状を引き起こさないようにするには、下記のセルフケアを試してみてください。
- ストレスを解消する
- カフェイン・アルコールを控える
- 規則正しい生活をする
- 適度な運動をする
無理せずに、できることから少しずつ始めていきましょう。
ストレスを解消する
ストレスを解消すると、耳鳴りや頭痛が軽減します。[11]
ストレスを解消する方法は、以下を参考にしてください。
- 好きな音楽を聴く
- ゆっくりお風呂に入る
- 趣味に没頭する
- 友人や家族と交流する
この他にも、自分が「心地よい」と感じる時間をつくると良いでしょう。
仕事や家事などで忙しいかもしれませんが、意識的にリラックスできる時間をつくるとストレスは発散できます。
自分に合ったストレス解消法を見つけ、溜め込まないように心がけましょう。
カフェイン・アルコールを控える
カフェイン・アルコールを控えると、耳鳴りや頭痛が軽減できます。[11]
カフェインやアルコールは血管を拡張する作用があり、耳鳴りや頭痛の原因となるからです。
ただし、カフェインは片頭痛を抑える効果があると言われているため、気にしすぎる必要はありません。[12]
コーヒー1日200ml程度であれば、許容範囲でしょう。
飲み過ぎると耳鳴りや片頭痛を引き起こしてしまうため、注意してください。
規則正しい生活をする
耳鳴りや片頭痛を改善するには、規則正しい生活をすることが重要です。[11]
規則正しい生活を送れば、自律神経やホルモンバランスが安定します。
規則正しい生活を送るには、主に以下を意識すると良いでしょう。
- 睡眠時間を7時間程度確保
- 起床時間・就寝時間が毎日同じ
- 食事は1日3食
耳鳴りや片頭痛の予防にとって特に重要なのは睡眠です。
睡眠不足になると片頭痛が起きる可能性があります。
睡眠時間を確保するために寝室の環境を整えたり、寝る前のスマートフォン操作を控えたりなどの対策をしましょう。
適度な運動をする
耳鳴りや片頭痛を予防する方法として、適度な運動が挙げられます。[13]
適度な運動は、以下のようなメリットがあります。
- 血流が良くなる
- 筋肉の緊張が解消される
- ストレスが発散される
運動をすることで、耳鳴りや片頭痛の原因を解消できるかもしれません。
普段あまり運動をしない方は「何をすればいいの?」と思うかもしれません。
適度な運動とは以下の通りです。
- ウォーキング
- 軽いジョギング
- ストレッチ
- 水泳
- ヨガ
上記以外でも、自分が楽しめる運動を生活に取り入れてみましょう。
ただし、激しすぎる運動はかえって片頭痛を誘発する可能性があります。
自分の体力に合わせて、無理のない範囲で続けることが大切です。
耳鳴りと片頭痛を根本的に治すには専門家に相談する
耳鳴りや片頭痛を根本的に治すには、専門家に相談しましょう。
上記で解説した対処法やセルフケアで、症状の緩和や予防を見込めます。
ただし、根本的に改善するのは難しい傾向です。
「耳鳴りや片頭痛に悩むことなく生活したい」と思っている方は、頭痛外来を受診しましょう。
頭痛外来に受診すれば正確な原因を特定でき、適切な治療を進められます。
また、問診や検査を通して、隠れた病気がないかも診断可能です。
まとめ
この記事では、耳鳴りと片頭痛の関連性や対処法などについて解説しました。
耳鳴りと片頭痛は出現するメカニズムが似ているため、症状が同時に出現することがあります。
症状が出現した際は、暗くて静かな部屋で横になりましょう。
セルフケアを日常的に行なっていると耳鳴りや片頭痛が軽減する可能性があります。
ただし、セルフケアでは改善しない、症状が重くて生活に支障が出ているなどの場合は、頭痛外来を受診してください。
天王寺だい脳神経外科には、頭痛を専門とした医師が在籍しております。
豊富な経験と知識に基づき、患者様一人ひとりに合わせた治療を行なっています。
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参考文献
[2]耳鼻咽喉科におけるストレス検査について―その有用性と取り扱い―
[3]片頭痛の予兆期・前兆期,発作末期にみられる随伴症状とその病態
[5]前庭性片頭痛の診断治療および前庭神経炎に対する新規治療
[7]片頭痛の共存症
[8]脳腫瘍に合併した耳鳴症例
[9]片頭痛関連めまい
[10]性差を勘案した片頭痛診療
[11]難治性片頭痛の対策と治療
[12]1.頭痛治療のトピックス
[13]頭痛の診療ガイドライン 2021
[14]拍動性耳鳴を契機に診断された硬膜動静脈瘻



