「片頭痛が起こると眠気がひどい」

「片頭痛と眠気で仕事ができない」

 

片頭痛に悩む方には、このような経験をされている方も多いのではないでしょうか。

 

片頭痛と眠気には関係性があり、そのままにしておくと片頭痛が悪化してしまう可能性もあります。

 

この記事では、片頭痛によって眠気が起こる原因や眠気が起きるタイミングごとの原因、自分でできる対処法などを解説しています。

 

この記事を読むと、片頭痛による眠気が出現する理由がわかり、適切な対処法を理解できるでしょう。

 

 

 

片頭痛による眠気が出現する原因

 

片頭痛による眠気が出現する原因は、以下の通りです。

 

  • 睡眠の質の低下
  • 脳の代謝の変化
  • 片頭痛の薬の副作用

 

それぞれ詳しく解説します。

 

睡眠の質の低下

 

睡眠の質が低下していると、片頭痛による眠気の原因となります。

 

睡眠の質の低下は脳の疲労回復を妨げ、日中の眠気を引き起こします。

 

また、片頭痛によって、なかなか眠りにつけなかったり、睡眠中に目が覚めてしまったりといった睡眠障害が生じる可能性があるのです。[1]

 

睡眠障害により、睡眠の質だけでなく量も低下し、眠気が出現する原因となるでしょう。

 

脳の代謝の変化

 

片頭痛が出現すると脳の代謝が変化し、眠気の原因となります。

 

片頭痛が現れると、脳は普段よりも多くのエネルギーを急激に消費し、その後一気にエネルギーの消費量が軽減します。

 

この急激な変化によって脳がうまく働かなくなり、眠気が出現しやすい傾向です。

 

片頭痛の薬の副作用

 

 

薬の副作用も、片頭痛による眠気の原因の一つです。

 

片頭痛の薬には、脳の働きを穏やかにする作用があるため、内服すると眠気が出現する可能性があります。

 

特に、トリプタン系やレイボー系の薬は片頭痛を止める効果が強い分、眠くなる副作用も出やすい傾向です。[2][9]

 

トリプタン、レイボー系の薬は、脳の中にある「セロトニン受容体」という部分に働きかけて、片頭痛を抑えます。[3][10]

 

セロトニン受容体は、人が覚醒した状態を保つことにも関係しており、服用すると眠くなってしまう可能性があります。[4]

 

他にもミグノス、バロプロ酸などの頭痛薬も副作用で、眠気が出現する可能性があります。[11][12]

 

あまりにも眠気が強い場合や、生活に支障が出る場合は、自己判断で薬の量を調整したり、服用を中止したりせず、必ず医師に相談しましょう。

 

脳の過剰な興奮

 

脳が過剰に興奮すると、片頭痛による眠気が出現する傾向があります。

 

片頭痛が出現すると脳は非常に活発な状態になり、片頭痛が治まった後に脳の機能低下を引き起こし、眠気につながるのです。

 

片頭痛の発作が起きている時は脳の血管が広がり、周りの神経を刺激して炎症を起こします。[5]

 

この時、脳は痛みの情報処理にたくさんのエネルギーを使います。

 

発作が治まると脳は疲れてしまい、休息が必要になって強い眠気を感じます。

 

片頭痛による眠気が出現するタイミングと理由

 

 

片頭痛による眠気が出現するタイミングと理由を解説します。

 

対策法も紹介しているため頭に入れておけば、症状が出現した際に落ち着いて行動できるでしょう。

 

片頭痛の発作前

 

片頭痛の発作が起こる前に、前兆の症状として眠気を感じることがあります。

 

前兆として眠気が起こるのは、脳の視床下部の活動が変化するからです。[6]

 

特に視床下部は、睡眠と覚醒のリズムを調整する役割をしており、活動の変化が眠気を引き起こすと考えられています。

 

眠気以外にも片頭痛の前兆として、以下の症状が現れることがあります。[6]

 

  • あくび
  • 疲労感
  • 集中力低下
  • 気分の変動(イライラや落ち込みなど)

 

これらの症状は、「片頭痛が近づいているサイン」と考え、早めに休憩を取ったり、必要に応じて片頭痛薬を服用したりするなど、対策をすることが大切です。

 

片頭痛の発作中

 

片頭痛の発作中にも、眠気を感じることがあります。[7]

 

脳が痛みの情報処理に多大なエネルギーを消費し、疲弊するからです。

 

また、片頭痛発作中は、脳の血管拡張と周囲の神経の炎症が起こります。

 

その結果、脳の機能低下を招き、眠気の原因となる可能性があります。

 

片頭痛発作中に眠気を感じたら無理に我慢せず、体を休めることが大切です。

 

片頭痛の発作後

 

片頭痛の発作が治まった後にも、眠気を感じることがあります。

 

発作中、脳は痛みの情報処理に多大なエネルギーを消費しており、発作が治まると、脳は疲弊して休息を必要とします

 

片頭痛発作後の眠気は、体が回復しようとしているサインです。

 

この時期は無理をせず、十分な睡眠と休息を取りましょう

 

片頭痛による眠気を予防するセルフケア

 

 

片頭痛による眠気を予防するセルフケアは、下記を参考にしてください。

 

  • ストレスを軽減する
  • 睡眠環境を改善する
  • 生活リズムを整える

 

セルフケアを習慣にすると、片頭痛による眠気が軽減する可能性があります。

 

それぞれ詳しく解説します。

 

ストレスを軽減する

 

片頭痛や眠気を予防するためには、ストレスを軽減することが大切です。

 

ストレスは、片頭痛と眠気の主な原因の一つです。

 

ストレスを感じると体は緊張状態になり、片頭痛や眠気を誘発する要因となります。[6]

 

以下のような方法で、ストレスを軽減しましょう。

 

  • 適度な運動
  • 趣味(音楽を聴く、映画を観るなど)
  • 家族や友人と話す

 

ストレスをうまくコントロールし、心身ともにリラックスした状態を保つことが、片頭痛や眠気の予防につながります。

 

睡眠環境を改善する

 

睡眠環境を改善すると、片頭痛による眠気を軽減できるでしょう。[6]

 

寝室の環境を整えると質の良い睡眠がとれ、片頭痛と眠気の予防になる傾向があります。

 

睡眠環境を改善する際は、以下を意識してみてください。

 

  • 遮光カーテンやアイマスクを使用する
  • 耳栓をして、周囲の雑音を遮断する
  • エアコンや扇風機などを使用し、快適な温度に設定する
  • 自分に合った枕やマットレスを使用する

 

寝室の環境を整えることで、睡眠の質が改善され、片頭痛による眠気も軽減するでしょう。

 

生活リズムを整える

 

生活リズムを整えることは、片頭痛や眠気を予防するために非常に重要です。

 

規則正しい生活は、体のリズムを整え、片頭痛や眠気の予防につながります。[6]

 

不規則な生活は体内時計を乱し、片頭痛や日中の眠気を引き起こしやすくします。

 

生活リズムを整える際は、以下を意識してみてください。

 

  • 毎日同じ時間に就寝・起床する
  • 適度な運動をする
  • 1日3食、食事を摂る

 

規則正しい生活を心がけ、体内時計を整えることで、片頭痛や眠気を予防し、より快適な毎日を過ごせるようになるでしょう。

 

片頭痛による眠気を放置するリスク

 

 

片頭痛による眠気を放置すると、以下のリスクがあります。

 

  • 日常生活への影響
  • 片頭痛の慢性化

 

リスクを知っておくと「あの時、病院に行っておけばよかった…」と後悔する可能背が低くなるでしょう。

 

日常生活への影響

 

片頭痛による眠気は、日常生活に様々な悪影響を及ぼす可能性があります。

 

眠気によって集中力や判断力が低下し、仕事や勉強でミスが増えたり、作業効率が低下したりすることがあるでしょう。

 

また、外出や人との交流が面倒になるなど、活動力が低下する可能性も考えられます。

 

さらに、眠気は事故のリスクを高め、車の運転中に強い眠気を感じると、重大な事故につながる危険性があります。

 

片頭痛による眠気がある場合は、無理をせず休息をとり、運転は控えるなどの対策が必要です。

 

眠気を放置すると、日常生活の質が低下するだけでなく、精神的なストレスも増大するでしょう。

 

片頭痛の慢性化

 

片頭痛による眠気を放置すると、片頭痛の慢性化を招くリスクがあります。

 

睡眠不足や不規則な生活は、片頭痛の頻度を増加させ、症状を悪化させる要因となります。[8]

 

また、眠気によるストレスが、さらに片頭痛を悪化させるという悪循環に陥る可能性もあるでしょう。

 

片頭痛と眠気を放置せず、適切に対処することが、片頭痛の慢性化予防と健康的な生活のために重要です。

 

片頭痛による眠気が続く場合

 

セルフケアを実践しても片頭痛による眠気が改善しない、または悪化する場合は、頭痛外来を受診してください。

 

「たかが眠気」と軽視せず、専門家の診察を受けることが重要です。

 

以下のような症状がある場合は、早めに受診をしましょう。

 

  • セルフケアを継続しても、眠気が改善しない
  • 眠気が強く、日常生活に支障をきたしている
  • 片頭痛の頻度が増加、または悪化している

 

これらの症状は、他の疾患が原因である可能性も否定できません。

 

例えば、睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に呼吸が停止し、日中の強い眠気を引き起こします。[8]

 

ナルコレプシーは、日中に突然の耐え難い眠気に襲われる疾患です。[8]

 

いずれも専門的な治療が必要な病気です。

 

専門的な検査によって原因を特定し、症状に応じた治療を進めていきましょう

 

まとめ

 

片頭痛による眠気の原因は、以下の通りです。

 

  • 睡眠の質の低下
  • 脳の代謝の変化
  • 片頭痛の薬の副作用
  • 脳の過剰な興奮

 

「眠気は我慢するしかない」と自己判断で我慢していたり、内服薬を中断したりすると、片頭痛が悪化する可能性があります。

 

片頭痛による眠気は、頭痛外来に受診して相談しましょう。

 

天王寺だい脳神経外科では、患者様の症状に合った治療法を提案できる可能性があるため、お気軽にご相談ください。

 

 

医療法人壮大会 天王寺だい脳神経外科

 

理事長 山田 大 Dai Yamada

 
 
 
 
 
 
  • 資格・所属学会

    • 日本脳神経外科学会 専門医

    • 身体福祉障害者指定医

    • 難病指定医

    • 日本脳神経外科コングレス

    • 日本頭痛学会

    • 日本脳卒中学会

    • 日本認知症学会

    • 日本頭痛学会 頭痛専門医

     
  • 専門分野

    • 頭痛の治療

    • 認知症の治療

    • 首、腰の病気、しびれ

    • 血管の病気

    • めまい、たちくらみ

    • てんかん

    • 高血圧、高脂血症、糖尿病

    • リハビリテーション

 
 
 

略 歴

2013年

近畿大学医学部医学科 

高砂市民病院 初期研修医 内科、外科、製鉄記念広畑病院 救急科

2015年

医療法人寿会 富永病院 脳神経外科

2018年

医療法人寿会 福島県 総合南東北病院 脳神経外科

2019年

医療法人寿会 富永病院 脳神経外科

2021年12月

医療法人寿会 富永病院 退職

2022年2月

天王寺だい脳神経外科 開院

2026年4月 

大阪頭痛脳神経クリニック開院

 

 

参考文献

[1]片頭痛と中枢性過眠症

[2]頭痛の診療ガイドライン 2021

[3]片頭痛治療薬の基礎

[4]睡眠・覚醒機能と24時間リズムをセロトニンが束ねる—睡眠・覚醒のサーカディアンリズム形成機構を神経活動レベルで解明—

[5]片頭痛発作時の脳血流解析

[6]片頭痛の予兆期・前兆期,発作末期にみられる随伴症状とその病態

[7]片頭痛の最新治療

[8]片頭痛と睡眠

[9]レイボー錠50mg レイボー錠100mgに係る 医薬品リスク管理計画書

[10]レイボー ® (ラスミジタンコハク酸塩)

[11]片頭痛治療薬

[12]抗てんかん剤、躁病・躁状態治療剤、片頭痛治療剤