ちょっとした頭痛でも
我慢せず、『天王寺だい脳神経外科』へ
お気軽にご相談ください。
頭痛専門外来は
約束します。
- 1頭痛を予防
痛みを取り除きます - 2頭痛から解放され、
生活の質が向上します - 3頭痛専門の為、
正確な診断、治療 - 4即日、MRI検査から
説明治療開始
頭痛は一般的な病気で、人口の約2～3人に1人が経験していると言われています。
これは決して特別な病気ではなく、誰でもかかりうる疾患です。特に、仕事や子育てに忙しい20代から40代の女性に多く見られます。この世代の女性の約20%が片頭痛を経験しています。頭痛があると、楽しみにしていた予定を満喫できなかったり、仕事に影響が出たりして、生活の質が低下します。
当院では、関西地区の頭痛患者の治療を全面的に支援することを目標に掲げ、院長をはじめとするスタッフ一同、日々取り組んでいます。
頭痛治療において豊富な実績を誇る当院に、どうぞお気軽にご相談ください。一緒に問題解決を目指しましょう。
【2024年5月 追記】
頭痛外来を受診するべき症状は？
- 頭痛で病院を受診したことがない
- 市販薬で我慢している
- 頭痛の専門治療を受けた事がない
- 生活や仕事に支障がでる
- 頻度が増えている
- 痛み止めが手放せない、持っていないと安心できない
- 生理前後に頭痛がある
- 低用量ピル内服中の頭痛
頭痛の種類、
原因になる病気は？
頭痛の種類には、1次性頭痛と2次性頭痛があります。危険な頭痛かどうかをMRI検査で見分けます。
1次性頭痛（脳にMRIで異常がなし）
2次性頭痛（MRI、髄液検査で脳に異常を認める、命に関わる頭痛）
頭痛は、まず上記を見分ける必要あります。病院を受診したが、軽い頭痛であった為検査をされずに、怖い頭痛（命にかかわる頭痛）が見過ごされる事が、よくあります。CTでは、明らかな出血以外は分かりません。MRIでの精密な検査を勧めます。二次性頭痛（怖い頭痛）に関しては脳卒中予防外来のページにて説明しています。
頭痛の種類
低用量ピル内服中の頭痛について
オンライン診療などの普及に伴い、低用量ピルの内服率が上昇しております。
当院に来られる多くの患者様20代の頭痛の患者様の約30％は低用量ピルを内服しております。低用量ピルは、月経困難症を改善し生活の質を上げるものですが、同時に片頭痛を増悪させる原因や、静脈洞血栓（脳出血を起こす怖い病気）、脳塞栓症（脳梗塞を起こす怖い病気のような怖い頭痛の原因となっております。
低用量ピルは、現在の社会において女性の生活の質を上げる必要不可欠なものになっております。当院では、低用量ピル内服加療中の患者様に関しては、近隣の多数のレディースクリニックと連携を取り頭痛治療を行っております。
低用量ピル内服中で頭痛が増悪、頭痛が出現した方は、頭痛外来の受診をお勧め致します。
低用量ピル内服中の頭痛の詳しい説明はこちら
片頭痛の症状、治療・予防薬（当院でよく使うお薬）
片頭痛の特徴
- 仕事終わりなどほっとした時に多い
- 拍動性（ズキズキ）の頭痛
- 光、匂いに敏感になる
- 目の前にチカチカが見える（閃輝暗点）
- 女性に多く、ひどい時は寝込んだり、吐いたりする
片頭痛の有病率は、10人に一人と言われています。症状軽い方は、気づかず市販の鎮痛剤等で対処している事も多くあります。片頭痛は予防可能な頭痛ですので頭痛外来の受診をお勧めします。片頭痛は、生活の質を下げます。是非、ご相談ください。
片頭痛の治療・予防薬（当院でよく使うお薬）
当院では、頭痛発作の予防に内服もしくは、注射タイプの治療薬を用います。内服は、昔から使われており実績があります。色々な種類の内服予防薬があり、患者様の年齢、生活スタイルに合わせて提案させて頂きます。
-
ミグシス（塩酸ロメリジン）
10mgを8週間内服すると64%の方で頭痛が改善すると有効性が示されています。発作回数や頭痛の程度の軽減、発作治療薬の減量、片頭痛による前駆症状の改善などの効果が期待できます。血管の収縮、拡張を安定させて減らす事により頭痛が誘発される事を減らします。
-
インデラル（βブロッカー）
血管の、収縮拡張に作用し頭痛頻度を減らすとされております。妊婦さんにも安全に使用できることが特長です。
血圧のお薬ですが、血圧降下作用も実際はあまりなく使いやすいお薬です。 -
バルプロ酸
頭痛ガイドラインではGradeAのお薬です。元々、てんかんのお薬です。ミグシスが登場する以前より使われていました。眠気の副作用が強めですが、効果も期待できます。500mg～600mg/日の内服が勧められます。当院では主に200mgから内服開始行います。ミグシスで効果が今いちだった方にお勧めしています。ミグシス、アミノトリプチンの内服でも頭痛日数がコントロール不良の患者様に導入していきます。
-
アミトリプチリン
片頭痛をこじらせてしまった人に効果的なお薬です。慢性片頭痛に対してのミグシスと使うスタンダードな内服です。元々は、抗うつ剤ですが少量投与により痛み止めに頼っている人に効果的です。（視調節障害、鼻閉、口渇、頻脈、便秘、排尿障害、緑内障には禁忌とされています）使用量は低用量（10～20mg／日、就寝前）で使います。当院では2.5mg、5mgとごく少量から頭痛治療に用います。
片頭痛の治療・予防薬について解説動画もご覧ください
注射による治療（新薬 CGRP抗体治療薬）
頭痛改善率は、内服で治療困難な片頭痛患者様で60～70%と言われています。 近年内服治療で予防困難だった片頭痛に新薬として登場しました。副作用も目立ったものが無く、内服治療で効かなかった方にお勧めしております。毎月1回の注射が必要です。頭痛が完全に無くなる方もいます。
当院でのCGRPの受容体作動薬の導入実績
2024年10月時点ではCGRP製剤全体で約400～500名近い注射製剤の患者様が通院中です。
内服加療の片頭痛患者様では700～800名の患者様が通院中です。昨年までは、東京頭痛クリニック、品川ストリングスクリニック等と並び全国2位の実績となりました。
CGRP製剤、エムガルティに関しましては今年度の2024年は、導入使用実績は全国1位の症例数を誇っています。
アジョビ、アイモビーグに関しても富永病院、富永クリニックに次ぐ関西2位の使用導入実績を誇っております。
古巣である富永病院副院長・現日本頭痛学会代表理事の竹島 多賀夫先生、脳神経内科副部長 菊井 祥二先生、頭痛センター副センター長 團野 大介先生、名だたる先生方に御指導、サポート頂けた事によりこのうような実績を作ることができました。この場をお借りして御礼申し上げます。
現在の所、95％以上の方に効果を実感して満足して頂いております。臨床試験ですと、効果が無い方が10％～20％報告されておりますので、当院では、適切なCGRPの適応が出来ているのではと考えております。また、現在当院では、治療実績等も認められゲパント製剤（経口CGRP製剤）の小児の治験も積極的に行っております。
2024年10月 院長 山田 大
エムガルティが効きやすい片頭痛の人の特徴は？
エムガルティが効きやすい人の頭痛には特徴があります。
- 片側性の片頭痛
- 拍動性の痛み
- 頭痛に嘔吐症状を伴う人
- トリプタン製剤への反応が良好
CGRPmAb レスポンダー（ドイツ）
＜ドイツの1施設 260名の検討＞（Erenumab, Galcanezumab, Fremanezumab）
| Super responder （n=29 11%） |
Non-responder （n=26 10%） |
|
|---|---|---|
| 片側性 | 93% | 72% |
| 拍動性 | 93% | 76% |
| 悪心 | 100% | 88% |
| 嘔吐 | 48% | 18% |
| 慢性片頭痛 | 48% | 92% |
| MHD | 11.4±4.5 | 18.1±6.8 |
| MMD | 10.6±4.7 | 14.1±6.4 |
| うつ | 28% | 65% |
| MOH | 28% | 58% |
| トリプタンへの反応 | 90% | 60% |
※ スーパーレスポンダー…3Mの時点でMHDが75%以上減少した患者
※ ノンレスポンダー…CGRP関連抗体薬を変更しても3Mの時点でMHDが25%以下の減少に留まった患者
Raffaelli B et al. The Journal of Headache and Pain 2023
上記論文にてエムガルティが効きやすい人の特徴が示されています。
よくエムガルティが効果が出る人の特徴に関しては、私自身も賛成ですがノンレスポンダーに入る精神疾患（鬱など）に関しては、異議があります。日本と海外での差なのか実際当院での使用実績からしますと、鬱を併発している人は多く、良く効いている印象です。
このような論文は最近多く発表されており、論文ごとに意見が異なりうつ等、精神疾患の併発に関しては今後さらに解明することがあると考えます。
フレマネズマブ（アジョビ）が効きやすい人の特徴
- 若年
- MOH（薬剤使用過多）に陥っている期間が短い
- 元々の鎮痛剤の使用日数が少ない
Fremanezumab in the prevention of high-frequency episodic and chronic migraine: a 12-week, multicenter, real-life, cohort study （the FRIEND study）
背景
フレマネズマブは、無作為化プラセボ対照試験（RCT）において、発作性または慢性片頭痛（CM）の予防に有効で、安全で、忍容性があることが実証されている。日常的な状況で非選択患者における薬効を探索し、より高い一般化可能性の結果を提供するためには、実生活の研究が必要である。
本研究では、高頻度のEM（HFEM: 8～14日/月）またはCMに罹患した個々の実生活集団におけるフレマネズマブの有効性、安全性、および忍容性を調査する。
方法
本研究は12週間の多施設前向きコホート実生活研究である。
2020年7月28日から2020年11月11日まで、イタリアの9つの頭痛センターを受診したHFEMまたはCMに罹患した連続患者全員を検討した。適格な患者には、希望に応じて、フレマネズマブ225mg/月次または675mg/四半期の皮下投与を行った。
主要試験評価項目は、ベースラインと比較した9～12週目のHFEMにおける月1回の片頭痛日数（MMD）とCM患者における月1回の頭痛日数（MHD）の変化とした。
50%,副次的評価項目には、月次鎮痛薬摂取量（MAI）、数値評価尺度（NRS）、HIT-6およびMIDASスコアの変動、ならびに75%および100%のレスポンダー率が同時に含まれていた。
結果
67例の片頭痛患者が受けていた 1回の皮下フレマネズマブ治療を検討し、安全性解析の対象としたが、53例は12週間の治療を完了し、有効性解析の対象とした。
フレマネズマブはHFEMとCMの両方に有効であり、12週目にMMD（-4.6、p < 0.05）、MHD（-9.4、p < 0.001）、MAI （-5.7、p < 0.05; -11.1、p < 0.001）、NRS （-3.1、p < 0.001; -2.5、p < 0.001）、MIDASスコア（-58.3、p < 0.05; -43.7; p < 0.001）の有意な低下を誘発した。ヒット‐6はHFEM患者でのみ有意に低下した（-18.1, p < 0.001）。CMからエピソード性片頭痛およびMOからno-MOへの寛解は患者の75%および67.7%で生じた。
50%,12週目の反応率75%と100%は、HFEMで76.5%、29.4%と9.9%、CMで58.3%、25%と0%であった。若い年齢が陽性反応予測因子（OR）として浮上した 0.91; 95% CI 0.85～0.98、p 0.013）。試験治療下で発現した有害事象はまれであり（5.7%）、軽度であった。どのような理由で、患者がフレマネズマブを中止しなかった。
結論
フレマネズマブはRCTよりも実生活でより有効であると思われる。より若い年齢が潜在的な反応予測因子として浮上する。
J Headache Pain. 2022 Apr 9;23(1):46. doi: 10.1186/s10194-022-01396-x
院長 山田による要約：FRIEND STUDY
イタリアでのアジョビ（フレマネズマブ）の実際の臨床での使用患者様の治療成績の分析の論文になります。頭痛の頻度、頭痛の片側性、年齢、随伴症状等と頭痛改善率をデータ化分析した論文です。
この論文のポイントをまとめると
フレマネズマブ（アジョビ）が効きやすい人は
- 若年
- MOH（薬剤使用過多）に陥っている期間が短い
- 元々の鎮痛剤の使用日数が少ない
となっております。
その後、FRIEND STUDY2も発表されており、そこでのデータは
- フレマネズマブ（アジョビ）の使用によってMOH（薬物使用過多）から離脱できる人は3/4以上であった。
- 慢性片頭痛患者様の8割がフレマネズマブ（アジョビ）投与にて発作性片頭痛 へ頭痛日数が軽減した。
片頭痛は、CGRP製剤で若い頃からしっかり治療する事が必要という良いデータと考えます。MOHの方でも多くの方が当院で治療開始し、早期（1週間以内）に効果を体感しています。実際、効きが悪い方もいますが、6か月スパンの投与で粘り強く行うことで、効果が出る事もあります。
【2024年1月 追記】
「片頭痛におけるFremanezumabの実臨床における長期（48週）有効性、安全性、忍容性の評価：多施設共同前向きFRIEND3試験からの知見」
Barbanti P, et al .Neurol Ther. 2024 Mar 7. doi: 10.1007/s40120-024-00591-z
序論
片頭痛は慢性化する神経疾患であり、従来の予防薬には限界がある。カルシトニン遺伝子関連ペプチド（CGRP）を標的とする薬剤の出現により、片頭痛予防が改善されている。欧州頭痛連盟のガイドラインは、抗CGRP mAbsによる治療を推奨しており、その有効性と忍容性の評価が進められている。
方法
イタリアの26の頭痛センターから、高頻度反復性片頭痛または慢性片頭痛の患者を対象に48週間の前向き多施設コホート研究を実施。参加者はフレマネズマブを月1回または四半期に1回投与され、主要評価項目として片頭痛や頭痛の日数、副次評価項目として鎮痛薬使用量、疼痛強度、HIT-6スコア、MIDASスコアなどの変化を評価した。
結果
533例が少なくとも1回のフレマネズマブ投与を受け、そのうち130例が48週間の治療を完了。主要評価項目では片頭痛および頭痛の日数が有意に減少（HFEM：-6.4日、CM：-14.5日）、副次評価項目でも有意な改善が見られた。副作用は軽度かつ一過性であり、治療中止はなかった。
ディスカッション
フレマネズマブは、片頭痛頻度、鎮痛薬使用量、疼痛強度、片頭痛障害を有意に減少させることが証明された。精神疾患や薬物乱用の合併患者でも高い有効性が見られた。実臨床での有効性と忍容性はRCTよりも高く、有害事象の発生率も低かった。
結論
フレマネズマブは、複数回の治療失敗を経験したHFEMまたはCM患者に対し、長期的に有効かつ忍容性が高い治療法であることが確認された。特に薬物過剰使用や精神疾患の併存患者においても、治療の有効性が示された。
院長 山田による要約：FRIEND3 STUDY
FRIEND1,2と紹介してきましたが、今回FRIEND3 STUDYが発表されたので報告します。
ポイント
- 実臨床ではデータ以上に頭痛日数が減少する事を確認できた
- 精神疾患併存の頭痛患者様の頭痛でもよく効く
- 薬物乱用性頭痛でもよく効く
【2024年5月 追記】
Cephalalgia. 2023 Apr;43（4）:3331024231158083.
背景
妊娠中のカルシトニン遺伝子関連ペプチド（CGRP）システムを標的とする片頭痛予防モノクローナル抗体の使用に関する安全性データは限られています。
方法
2021年12月31日時点でVigiBase®から取得した、エレヌマブ、ガルカネズマブ、フレマネズマブおよびエプチネズマブに関連する妊娠に関連する安全性報告の最新のファーマコビジランス評価。
主要結果として、CGRPシステムを標的とするモノクローナル抗体のグループ全体が考慮され、性別が考慮されました。報告オッズ比（ROR）を使用した年齢サブグループ不均衡分析が実施されました。
結果
286件の安全性報告が見つかりました。
エレヌマブについては116件（40.6%）、ガルカネズマブについては125件（43.7%）、フレマネズマブについては39件（13.6%）、エプチネズマブについては6件（2.1%）でした。
149件（52.1％）の安全性報告は妊娠に関連した薬物曝露のみを報告したが、137件（47.9％）には1つ以上の妊娠転帰も含まれていた。
母体転帰（n=64）、自然流産（n=63）、胎児成長制限（n=1）、未熟児（n=8）、新生児転帰（n=13）、および不十分な母乳育児（n=1）。母体、胎児、新生児への毒性の特定のパターンは観察されませんでした。
自然流産は、データベース全体（ROR 1.1、95%信頼区間、CI、0.8-1.5）、2018年以降のデータベース全体（ROR 1.3、95%、CI 1.0）と比較して、エレヌマブ、ガルカネズマブ、フレマネズマブ、エプチネズマブで不釣り合いに高い頻度で報告されていませんでした。 -1.8）、トリプタン（ROR 1.2、95%、CI 0.8-1.9）。
考察
エレヌマブ、ガルカネズマブ、フレマネズマブおよびエプチネズマブに関する妊婦の母体毒性、胎児毒性、新生児毒性に関する報告から、CGRPシステムを標的とするモノクローナル抗体全体による自然流産の増加の兆候は見られませんでした。
妊娠中の薬物の安全性に関する知識は限られており、臨床試験では妊婦が一般的に除外されるため、市販後の情報が重要です。CGRPシステムを標的とするモノクローナル抗体に関しては、妊娠中の安全性に関するエビデンスがまだ不十分です。
報告された安全性データでは、特定の母体毒性や先天性欠損の増加の兆候は見られませんでしたが、抗片頭痛治療の効果の不足が最も頻繁に報告されました。
自然流産の報告に関しては、モノクローナル抗体全体での増加は見られませんでしたが、特定の薬剤に関しては一部の報告がありました。
結論
VigiBase®安全性レポートによると、妊娠中のエレヌマブ、ガルカネズマブ、フレマネズマブおよびエプチネズマブに関するこの最新の安全性分析では、母体毒性の兆候は示されませんでした。
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院長 山田による要約
妊娠中のCGRP関連抗体薬の最新の分析報告です。
症例数は多くはないですが、現状に報告からは母体毒性の兆候は示されませんでした。
- （a）CGRPシステムを標的とするモノクローナル抗体に関する自然流産の安全性報告件数
- （b）CGRPシステムを標的とするモノクローナル抗体に関する自然流産以外の安全性報告件数
一般社団法人日本生殖医学会ホームページより
上記報告には286例中、自然流産63例と記載があり、不安になられる患者様もいらっしゃるかと思いますが、報告の中にもあるように計算されたリスクの値で自然流産の増加は認められませんでした。
当院でも女性の頭痛患者様がCGRP関連抗体薬を服用されていますが、治療中に予定外の妊娠が発覚することも十分に考えられます。
そのような場合、妊娠発覚後に投与を中止しますが、上記報告によるとCGRP関連抗体薬による母体への影響は少ないと考察されているので、そこまで心配しなくてもいいと考えます。
これまで通り妊娠を計画される方には、CGRP関連抗体薬の半減期を考慮して、5～6か月前にCGRP関連抗体薬中断を推奨し、他の治療を検討していきます。
一般的に妊娠の経過とともに、非妊娠時と比較してエストロゲンの分泌量が100倍くらいまでが増加し、片頭痛の症状は軽快するとされています。
また、CGRP関連抗体薬は乳汁への移行もされると言われています。出産後の授乳については、患者様の頭痛発作の強度や日常生活への支障度によって、授乳を中断してCGRP関連抗体薬による治療を開始していただくことをお勧めする場合があります。
頭痛は女性に多い疾患ですので、妊娠などの女性における大切なライフイベントも考慮した治療を提案していきます。
【2024年4月 追記】
Piero Barbanti1, 2•Cinzia Aurilia1•Gabriella Egeo1•Stefania Proietti3•Florindo D’Onofrio4•
Paola Torelli5•Marco Aguggia6•Davide Bertuzzo6•Cinzia Finocchi7•Michele Trimboli8•Sabina Cevoli9
Giulia Fiorentini1•Bianca Orlando1•Maurizio Zucco10•Laura Di Clemente10•Ilaria Cetta11•Bruno Colombo11•Monica Laura Bandettini di Poggio12•Valentina Favoni9•Licia Grazzi13•Antonio Salerno14•Antonio Carnevale15•Micaela Robotti16•Fabio Fradiani 16•Claudia Altamura17•Massimo Filipi 11•Fabrizio Vernieri17•Stefano Bonassi2, 4•ERT;Italian Migraine Registry
目的
カルシトニン遺伝子関連ペプチド（CGRP）経路を標的とするモノクローナル抗体（mAb）で治療した片頭痛患者の60%近くが、12週目にベースラインと比較して月間片頭痛日数（MMD）の50%超の減少を経験する（レスポンダー）。しかし、12週間未満で抗CGRP mAbが奏効しなかった患者の約半数では、24週間後に奏効＜24週（後期反応例）。抗CGRP mAbのみに反応する患者の頻度と特徴を評価した＞する（超遅発性奏効例）。
方法
この多施設共同（n=16）前向き観察実臨床試験において、治療失敗歴が3回以上で、抗CGRP mAbによる治療を48週間超受けた高頻度反復性片頭痛（HFEM:8日超/月）又は慢性片頭痛（CM）に罹患したすべての連続成人患者を登録した。奏効率＞50%＜12週、後期反応例＞、奏効率50%＜24週、超後期レスポンダー＞、奏効率50%の奏効例は＞24週間と定義した。
結果
片頭痛患者合計572例が48週間を超える抗CGRP mAb治療を完了した。応答者は60.5%（346/572）、後期応答者は15%（86/572）、超後期応答者は15.7%（90/572）であった。超後期応答者のうち、7.3%（42/572）はその後のすべての時間間隔（28、32、36、40、44、48週目）で＞50%の応答率を維持し、持続的超後期応答者と考えられたが、8.4%（48/572）はその後の＞1つの時間間隔で＞50%の応答率を見逃し、変動する超後期応答者に分類された。50例（8.7%）は48週間未満のいずれの時間間隔でも応答しなかった。超後期応答者は、より高いBMI（p=0.033）、より長い投薬過剰期間＜0.001）、NRSスコア（p=0.017）及びHIT-6スコア（p=0.002）が低く、ドパミン作動性症状の発現頻度が高く（p=0.002）、片側性疼痛の発現頻度が低く（単独疼痛［p=0.010］又はUASとの併用疼痛［p=0.023］、アロディニア［p=0.043］又はUASとアロディニア［p=0.012］）、併存疾患の数が多く（p=0.012）、精神障害（p=0.010）を有する患者の割合が高かった。＞1併存疾患（p=0.020）で応答者と異なった。
結論
24週間未満で抗CGRP mAbに応答しなかった患者の2/3はその後に応答するが、48週間未満の非応答者は極めてまれである（8.7%）。これらの所見は、片頭痛予防期間及び現在は治療2~3ヵ月後の反応に基づいている抵抗性及び難治性片頭痛の定義を再考することを示唆している。
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院長 山田による要約
CGRP製剤は、多くの方が使用直後から効果の方を実感できる即効性の高い薬剤です。効果判定の基準として多く用いられるのは50％反応率です。元々の頭痛頻度が半分になることを示しています。しかし、一部の方で効果が出るのに数か月以上かかる方がいます。実際当院でも半年経過後より頭痛日数が大幅に改善する経験があります。今回論文では、2年経過時にようやく50％反応率をクリアする症例も一部ある事を証明しております。一度CGRP製剤にて治療も効果認めず、諦めてしまった方もご相談ください。
ポイント
- 多くの方はCGR製剤開始後すぐに効果を実感できる
- 一部の人は、効果が2年以上かける事によりより強く出るケースもある
- CGRP製剤は、粘り強く使い続ける事で効果が出る事があるので早期に諦めない
【2024年10月 追記】
片頭痛予防のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチドを標的とした抗体の実際の経験：日本の2つの頭痛センターにおける後ろ向き観察コホート研究
Real-world experience with calcitonin gene-related peptide-targeted antibodies for migraine prevention: a retrospective observational cohort study at two Japanese headache centers BMC Neurol. 2024 Jan 18;24(1):32.
背景
ランダム化比較試験（RCT）は、カルシトニン遺伝子関連ペプチド（CGRP）を標的としたモノクローナル抗体（CGRP mAb）が片頭痛予防のための有効かつ安全な治療法であることを示しているが、その臨床的利点は日本人患者において十分に検証されていない。現実世界の設定では。本研究は、日本人の片頭痛患者におけるガルカネズマブ、フレマネズマブ、エレヌマブの実際の有効性と安全性を評価することを目的としていました。
方法
この観察的後ろ向きコホート研究は、日本の2つの頭痛センターで実施されました。少なくとも1つの従来の経口片頭痛予防薬による治療失敗を経験した片頭痛患者は、CGRP mAbで新たに治療されました。有効性の主要評価項目は、毎月の片頭痛日数（MMD）および 3回の投与間隔（V3）後の頭痛支障テスト-6（HIT-6）スコアのベースラインからの変化でした。私たちは、人口統計学的特徴と臨床的特徴がV3での治療結果を予測するかどうかを調査しました。
結果
CGRP mAbの3回の投与を完了した68人の患者 (85.3% 女性 [58/68]、平均年齢：46.2 ± 13.1歳) が分析に含まれました。慢性片頭痛患者は19名でした。ベースラインMMDは13.4 ± 6.0でした。 3回の投与後、MMDは7.4 ± 5.5（p＜0.0001）まで有意に減少し、50% 反応率は50.0%でした。
HIT-6スコアは、3回の投与後に66.7 ± 5.4から56.2 ± 8.7に有意に減少しました（P=0.0001）。2回の投与後のベースラインからのMMDとHIT-6スコアの変化の間には正の相関があった（p=0.0189）。1回目と2回目の投与後に50％以上の治療反応を達成した患者は、V3でもそうする可能性が有意に高かった（粗オッズ比：3.474 [95％CI：1.037～10.4]、p=0.0467）。最も頻繁に発生した有害事象は便秘（7.4%）でした。いずれの有害事象も重篤なものではなく、治療を中止する必要はありませんでした。
結論
この現実世界の研究は、CGRP mAbが日本人患者に有効かつ安全な片頭痛予防をもたらし、最初の陽性の治療反応がその後の好ましい転帰を予測するものであることを実証しました。MMDとHIT-6スコアの同時測定は、片頭痛予防におけるCGRP mAbの有効性を評価するのに役立ちました。
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院長 山田による要約
東京歯科大学市川総合病院 神経内科 教授 柴田護先生らの論文です。
日本人の片頭痛患者におけるエムガルティ、アジョビ、アイモビーグの実際の有効性と安全性を評価するため、国内の2つの頭痛センターで実施されました。この様にCGRP関連抗体薬の3剤の比較を検討した論文報告は珍しく非常に重要な報告です。
- A：エムガルティ
- B：アジョビ
- C：アイモビーグ
- D：（青）エムガルティ（赤）アジョビ（緑）アイモビーグ
結果として、各薬剤のデータを見るとHIT-6はしっかり低下しています。Dでお分かりいただけるように、3剤で比較した結果、エムガルティが他2剤と比較してHIT-6スコアを有意に低下させました。 継続率という観点では当院自験例でもエムガルティが優れており、初期の効果の立ち上がりで優位な印象です。 HIT-6とはあなたは頭痛がある時に頭痛のせいで生活にどの程度支障が出ていますか？という6項目のしテストです。痛みの改善も重要ですが、痛みによって生活に様々な影響が出てしまう事は大きな損失です。当院でも発作の回数と共に評価しております。
【2024年10月 追記】
発作時の治療
頭痛が起こってしまった時の内服薬には、トリプタン製剤、アセトアミノフェン、NSAIDS等があります。 頭痛の頻度、強さ、持続時間等で患者様に合わせて選択させて頂きます。頭痛が起きる前の内服がポイントです。
トリプタン製剤
発作時に強力に効くお薬です。
-
イミグラン（スマトリプタン）
- イミグラン（スマトリプタン）は点鼻と錠剤、注射の3種類の剤型があります。
- イミグランの皮下注射は12分で効果発現があり即効性に優れます。自己注射の為いつでも使えます。
妊娠中での使用データも豊富で、妊婦さんの頭痛増悪時にも、比較的安全に投与可能です。
-
ゾーミッグ（ゾルミトリプタン）
- ゾーミッグ（ゾルミトリプタン）は通常の錠剤の他にRM錠と言う口腔内速溶錠があり、どこでも飲めます。
-
レルパックス（エレトリプタン）
- トリプタン製剤が初めての方には、薬の効きも早く中枢性の副作用や首や胸の締め付け感が少ないレルパックス（エレトリプタン）をお勧めします。
授乳中での使用も問題ないというエビデンスもあり産後の方にも比較的使いやすいのが特徴です。
- トリプタン製剤が初めての方には、薬の効きも早く中枢性の副作用や首や胸の締め付け感が少ないレルパックス（エレトリプタン）をお勧めします。
-
マクサルト（リザトリプタン）
- マクサルト（リザトリプタン）は通常の錠剤の他にRPD錠と言う口腔内崩壊錠（口の中で溶けやすい）があります。
小児領域でのデータが多くあり、エレトリプタンと並び小児に使いやすいとされています。
- マクサルト（リザトリプタン）は通常の錠剤の他にRPD錠と言う口腔内崩壊錠（口の中で溶けやすい）があります。
-
アマージ（ナラトリプタン）
- 月経関連や発作期間が長い方には、半減期の長いアマージ（ナラトリプタン）がお勧めです。副作用も少ないです。
治療薬の説明はこちら
【片頭痛の発作時の新薬 2022年6月発売】 レイボー ®（ラスミジタン）
2022年1月にセロトニン1F受容体作動薬のレイボーが国内で製造承認されました。
セロトニン1F受容体にレイボーが結合することにより、CGRP（頭痛の原因となる物質）等の頭痛発作を誘発する物質の放出を抑制する効果があります。
【2024年5月 追記】
【2024年5月 追記】
これまでのトリプタン製剤との違い
- POINT 1頭痛が始まってからでも
効果が強い - POINT 2頭痛のぶり返しが少ない
【2024年5月 追記】
片頭痛鎮痛効果の強いお薬です。
今までのトリプタン製剤は血管収縮による頭痛発作の抑制です。なので、一度血管が拡張して頭痛が起こってからの内服では、トリプタン製剤（イミグラン、ゾーミック、アマージ、マクサルト、レルパックス等）は効果が弱く、また薬の効果が切れた際血管拡張が起こり頭痛の再発率が高い等の問題がありました。
今回の、レイボーは、どちらかといえば昨年発売されたエムガルティ、アジョビ、アイモビーク等のCGRPの関連薬に似た作用機序となっており、薬物乱用性頭痛への移行の可能性も低く非常に使いやすお薬へと進化していると考えます。
【2022年6月29日 追記】
発売、1ヶ月も経過していませんが、当院が関西で一番の使用実績を誇っております。今回患者様の使用感としてはデメリットとしてはめまい症状、眠気などの副作用が出やすい印象です（20％〜30％）。頭痛に対する治療効果は、かなり強く頭がすっきりしたという患者様が多くいらっしゃいます。また、統計データなど出ましたら順次、公開させていただきます。
【2022年12月11日 追記】
レイボーですが、100mg製剤ですと、めまい、ふらつきの副作用が強く使えない方が多い印象です。レイボー50mgとブルフェン、カロナール等の併用療法が使いやすく当院では行っております。
複数回使用すると副作用も出なくなりますが、期間が空くと（1ヶ月位）再度副作用が出る傾向が強い印象です。
薬価について
海外では、1錠8,000円もする高価なお薬ですが、国内では570.9円（標準量100mg錠・1錠あたり）と現存トリプタン製剤と変わらない薬価です。
健康保険3割負担の方で171円程です。
当院では2022年6月8日より処方しております。お気軽にご来院ください。
慢性片頭痛について
片頭痛や緊張型頭痛のような頭痛が月に15日以上生じている状態で、そのうち8回以上が片頭痛の特長を備えた頭痛であることです。
経過が長く、緊張型頭痛と誤診されやすい頭痛です。治療は、片頭痛の治療に準じます。
エムガルティ、アジョビ、アイモビーグが良い適応となります。
詳しい説明はこちら
痛み止めを連日使う事が多い
頭痛持ちの方へ（痛み止めの乱用による頭痛）
毎日痛み止めを飲んでいるもしくは週の半分近く使うかたは、片頭痛をこじらせた、薬物乱用性頭痛の可能性があります。
しっかり予防すれば良くなりますのでご相談ください。
詳しい説明はこちら
緊張型頭痛の症状、
治療について
人口の70%の方が経験する頭痛です。症状は、両側後頭部痛、圧迫感、締め付け感、嘔気や光、匂い過敏等があります。
命にはかかわりませんが、漫然と痛み止めの内服を継続し、症状が悪化し、生活の質を下げる事があります。根本的な治療は、マッサージ、筋トレになります。内服による疼痛緩和と合わせて治療を行っていきます。
詳しい説明はこちら
性行為時頭痛、
トレーニング、運動後の頭痛
について
その名のとおり、
性行為時の頭痛です。
性行為に伴う頭痛は、性的興奮時や性交後に生じ、オルガズムで急に強くなるなどの特長もあります。 女性よりも男性に多いとされています。原因は性行為による血圧の上昇、オルガズム時の後頭部における拍動増加が考えられます。 性行為に限らず、近年では、ウェイトトレーニング等で息んだ時等に誘発さえれる事もあります。ほとんどが良性の頭痛ですが、脳出血やくも膜下出血を引き起こす悪性の性行為時頭痛の可能性もあり、しっかりと検査・診断を行う必要があります。 ウェイトトレーニング、性行為の頭痛に困っている方はご相談ください。予防も可能です。是非お気軽にご相談ください。
群発性頭痛について
下記症状の方は
群発性頭痛を疑います。
- 今まで経験した事がない頭痛
- 片目の奥の頭痛
- 結膜充血目の白目の部分が充血します
- 流涙涙が流れます
- 鼻閉鼻が詰まった感じがします
- 鼻漏鼻水が出ます
- 眼瞼浮腫 目の瞼がむくみます
- 前頭部および顔面の発汗
- 縮瞳瞳が小さくなります
- 眼瞼下垂瞼が下がります
群発頭痛の特長
群発頭痛は、非常に痛みが強く日常生活が困難になる頭痛です。 特長としては下記が挙げられます。群発頭痛の有病率は1000人に1人程度と報告されておます。片頭痛の有病率が8.4%ですのでそれと比較すると頻度は少ないです。男性に多く、30歳代に多いですが、さまざまな年齢層で起こります。
- 左右どちらかの片側性
- えぐられるような痛み
- 15分から180分の発作
- 涙、瞼腫脹、鼻閉、充血など
- ある時期にまとまって発作が重なる
群発頭痛の治療方法
予防薬（ベラパミル、ステロイド）等の内服、イミグランの皮下注射で症状が改善します。生活の質が改善するため非常に有効な治療法です。
当院では、開院以来多くの方にイミグランの自己注射を導入しております。
当院では年間約60名の群発性頭痛患者様が、診断、治療されております（2023年度実績）。中には、片頭痛と混在しており他院で誤診され、後に受診される方も多くいます。診断、治療実績の多い当院にご相談ください。
群発性頭痛は1時間から3時間と発症様式が短時間である事も特徴です。
内服では、痛い時に間に合わず非常に辛い思いをしている方が多くいらっしゃいます。臨床ではこれまで、イミグランの点鼻スプレーを処方されているケースもありますが2023年末にて生産中止となってしまいました。
当院では、効果が確実な皮下注射をお勧めしております（患者様と相談の上、治療方針を決定させて頂きます）。自己注射キットは非常に簡単できておりますので、お気軽にご相談ください。
日本や海外で、近年はガルガネズマブ（エムガルティ）が群発性頭痛に効果的であったという論文も報告されています。
群発頭痛の病態には仮説よりCGRPが関連しているという説より、海外においてガルカネズマブを使用した臨床試験が行われました。
海外においては、論文の最初に定義のある反復性群発頭痛を対象とした試験において有効性が示されたと報告がございました。反復性の群発頭痛にもCGRPが関与している事が示唆されましたが、この試験では使用した用量が日本国内で使用できる用量より多く設定（300mg）されております。
慢性片頭痛と群発頭痛が併存している患者へのエムガルティ（現在日本で承認されている用法用量）で、片頭痛と群発頭痛の両方の片頭痛の日数、群発頭痛発作、HIT-6スコア、急性期治療薬服用日数が改善されることがデータとして示されました。
結論として、現在日本でのCGRP関連抗体薬の群発頭痛への適応は無く、群発頭痛のみでCGRP関連抗体薬を使用することはできませんが、今後は現在の治療に加え、研究が進み、少しでも苦痛から遠ざける事ができる時代は近づいております。
当院にも群発頭痛の患者さんの中には片頭痛を併発している患者さんもいらっしゃいますが、そのような患者さんでのCGRP関連抗体薬の新しいエビデンスも出てきています。
当院では現在行える治療で少しでも群発頭痛を和らげるように、引き続き取り組んで参りますので、気になられた方はご相談に来てください。一緒に最善の治療を探していきましょう。
【2024年6月 追記】
小児、お子様の頭痛について
当院では、小児、お子様の頭痛い関してもご相談を受けています。
【2024年5月 追記】
子供頭痛は、単なる疾患以外の要素、社会的背景、ストレス、環境要因など大人の頭痛と比較して診断が難しい部分があります。特に、精神面や起立性調節障害などの疾患の併存が多い疾患です。子供頭痛に関しても治療経験豊富な当院へぜご相談ください。
成人の頭痛とは原因等が異なる事も多いので、一度お気軽にご相談ください。
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うつ、適応障害で治療中の方の頭痛
疫学的研究において、片頭痛における大うつ病の年間有病率は約8.6%、生涯有病率は18～40%程度と報告され、片頭痛をもたない群と比較してうつ病の生涯有病率は2～4倍高くなるとされています。片頭痛と不安症との関連についてはパニック症のほか、全般性不安症、恐怖症、強迫症があります。
うつ病と同様に、パニック症においても3.76倍罹患しやすく、前兆のある片頭痛で随伴しやすいとされております。
当院では通院加療にて頭痛日数、疼痛を改善しております。精神科の先生とも連携、または紹介も必要時は行い治療行っていきます。一度ご相談ください。
- 片頭痛患者様の10人に1人はうつ病を合併している事がある
- うつ病や適応障害を合併している片頭痛患者様でもCGPR製剤はよく効く
【2024年8月 追記】
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めまいを伴う片頭痛
めまい症状と頭痛を伴う疾患は多岐にわたりますが、その中でも特に注目すべきなのが「前庭性片頭痛（vestibular migraine）」です。当院においても、片頭痛を有する患者様の中には、頭痛発作時にめまいを併発する方や、頭痛とは無関係にめまい発作を起こされる方が多く見受けられます。
前庭性片頭痛は、片頭痛と同様に神経系の障害に基づくものであり、特に前庭系に影響を及ぼすことから、めまいを主な症状とします。この疾患は、片頭痛患者の中でも比較的多く見られ、発症メカニズムには脳幹や前庭神経核、あるいは内耳の異常が関与していると考えられています。
前庭性片頭痛の診断は、頭痛学会のガイドラインに基づき、反復するめまいエピソードに加えて、片頭痛に特徴的な頭痛、光過敏、音過敏、視覚オーラなどの片頭痛症状が同時に見られる場合に確定されます。また、患者の多くは車酔いや乗り物酔いをしやすく、これは前庭系の感受性が高いことを示唆しています。
治療においては、片頭痛の予防薬や急性期治療薬が前庭性片頭痛にも有効とされており、生活習慣の改善やストレス管理も重要です。また、リハビリテーションによる前庭訓練も治療の一環として有効であると報告されています。
このように、めまいを伴う頭痛の症例には前庭性片頭痛が含まれ、その治療には片頭痛と同様のアプローチが有効であることが示されています。
【2024年8月 追記】
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天気痛、気象頭痛、気象関連片頭痛
天気痛、気象頭痛は、気圧や気温、湿度などの気象条件の変化に体が反応して生じる症状群です。
症状
- 頭痛
- めまい
- 倦怠感
台風の接近や局地的な熱帯低気圧による夕立等でも起こります。
元々片頭痛持ちの方が影響を受けやすく、多くの片頭痛持ちの方がこの影響を受けた後、頭痛が増悪します。
年間で頭痛患者様の受診が増える時期は、5～6月の梅雨時期と9月の台風シーズンに非常に影響しております。
天気による頭痛、めまい、倦怠感でお悩みの方は一度頭痛外来受診を勧めます。
【2024年9月 追記】
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