頭部打撲について
頭を打ってしまった方はなるべく早くご相談ください。MRIにて正確に診断致します。
頭部打撲は、様々な誘因にて起こります。
若年の方はスポーツや格闘技等で、ご高齢の方は筋力の衰えやバランス機能の低下による転倒等、それらが原因での転倒が多く見られます。
前後の記憶が曖昧な場合は危険です。MRIによる精査をお勧めします。
頭部打撲後の危険な症状
- 吐き気
- 頭痛
- 物が二重に見える
- まっすぐ歩けない
- ふらつく
危険度の高い誘因
- 打撲前後の記憶が無い
- 血液さらさらの薬を飲んでいる(特に、抗凝固薬は危険)
- 高齢者
- コンタクトスポーツ
乳幼児・小学校低学年の頭部打撲について
当院では開院以来、ベビーカーから落ちた、だっこ紐から落ちた、椅子、机から落ちたなど、小さなお子様に受診頂いております。
意外に診てくれる医療機関が少ないのが現状です。基本的に体重の軽いお子様ですから、上記のような事で大事に至ることはまずありません。
しかし、親としては心配ですよね。大丈夫の一言が欲しいのが心情だと思います。
お気軽に受診ください。
若者の頭部打撲について
頭部打撲は、様々な誘因にて起こります。
若年の方は、スポーツ、格闘技等にてよく起こります。ボクシングやラグビー、アメリカンフットボール等にて多く見られます。
前後の記憶が曖昧な場合は、危険です。MRIによる精査をお勧めします。
よく脳震盪を起こした後、そのまま競技や練習に復帰し、2回目の頭部打撲にて重篤な後遺症が出る事があります(医療者の中ではセカンドインパクトと呼んでいます)。
脳震盪後は、段階を踏んだ協議復帰が必要です。お気軽にご相談ください。
高齢者の頭部打撲について
高齢になると、筋力の衰え、バランス機能の低下が低下してきます。それによって、階段の上り下りや何気ない日常の段差等でもよく転倒する機会が生まれます。
また、自転車による転倒も多いのが特徴です。高齢になると脳の萎縮に伴い、頭部打撲にて脳が揺さぶられ易くなります。
それによって硬膜下血腫(脳と硬膜の間に血が溜まる)病気になる危険性が、通常より高くなります。
また高齢者が良く飲まれる抗血小板剤(バイアスピリン、プラビックス、エフィエント)、抗凝固剤(リクシアナ、イグザレルト、プラザキサ、エリキュース、ワーファリン)等が危険因子になります。
急性硬膜下血腫は、転倒直後に起こります。意識障害や頭痛、不穏が主な症状になります。また、1~2カ月かけて徐々に血が溜まる慢性硬膜下血腫という病気も高齢者に特有の病気です。
最近、急激に認知症が進んだ。最近、よくトイレに間に合わない、元気が無い、食欲が無いなどの症状に家族が気づいて病院に来る事が多くあります。
頭部打撲で起こる病気
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急性硬膜下血腫
脳と脳を包んでいる硬膜の間に出血する病気です。脳が揺さぶられる事によって脳表の架橋静脈が切れるか脳挫傷により動脈が損傷する事によって起こります。脳が揺れる(脳が萎縮してきてスペースがある)高齢者に多い病気です。
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急性硬膜外血腫
脳を包んでいる、硬膜の外の出血です、頭蓋骨骨折を伴う事が殆どです。かなりの頭部外傷でないと起こりません。しかし起こった時は予後は非常に悪いです。高齢者では急性硬膜下血腫と合併する事が多いです。
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慢性硬膜下血腫
高齢者特有の病気です。若い方ですとお酒飲みに多い印象です。脳表の架橋静脈が切れる事により起こります。頭部打撲後1~2カ月してから歩きにくい、頭痛が酷い、元気が無い等の症状で病院を受診されます。
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外傷性くも膜下出血
太い血管から枝分かれした細い血管が、脳が揺さぶられて引っこ抜けたりして起こります。症状は頭痛が多いです。頭蓋骨骨折、脳挫傷をよく合併します。
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脳挫傷
脳が揺さぶられ、傷んでしまった状態です。傷んだ部位によって様々な症状が出ます。