高脂血症って?
脂質異常は、無症状が殆どですが、だるさ、倦怠感が出る事があります。早い方だと20代から異常が生じます。長年、脳梗塞、脳出血の治療に携わっており、多くの患者様が上記疾患を持たれております。多くの高脂血症をお持ちの患者様の治療に携わって来た経験を元に治療を進めます。
高脂血症でなる病気は?
高脂血症を放置していると下記の病気になります。
- 脳梗塞
- 脳出血
- 心筋梗塞
- 頸動脈狭窄
- 下肢動脈閉塞症
どれも命に係わる病気です。改善、予防治療を行っていきましょう。
高脂血症の患者さんは、年々増えています。
一般的に、高脂血症は高LDLコレステロール血症、高中性脂肪血症、低HDLコレステロール血症などを指します。
心筋梗塞・狭心症、脳梗塞などを発症するリスクが非常に高くなります。これらの疾患を合わせた死亡率は、がんによるものよりも高くなっています。また、病気が発症した際に、後遺症などにより介護を必要としたり、生活の質を損なってしまうことも少なくありません。
そのため、症状が出ていない時期から動脈硬化などの予防や高脂血症のコントロールなどの治療を行う事が重要となります。
どんな人が高脂血症(診断基準)
脂質異常症の診断基準
(日本動脈硬化学会「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017」より)
日本人の2割近くに脂質代謝異常があると言われていますが、実際に治療を受けているのは約200万人程です。悪玉コレステロールが140mg/dL以上、中性脂肪が150mg/dL以上の方は脂質代謝異常に該当します。実際に診療にあたっているともっと多い印象があります。
コレステロールや中性脂肪が高いとどうなる?
血液中のコレステロールが多いと血管の壁に沈着し、こぶ(プラーク)が形成され血管が硬くなり、「動脈硬化」を引き起こします。動脈硬化が進行すると、血管の中が狭くなって血流が悪くなったり、プラークが破綻し、破片が末梢血管に流れていく事により、血管を詰まらせます。脳の血管が詰まるのが脳梗塞、心臓の血管が詰まるのが心筋梗塞です。コレステロールが高いと、こうした血管障害を発症するリスクが2~3倍程度に上昇します。
また、中性脂肪が高くても間接的に動脈硬化が進行し、脳梗塞、心筋梗塞のリスクを高くします。
数値がどのくらいになったら治療が必要?
日本のガイドラインでは、治療の指標となる数値が年齢、性別、家族歴、高血圧や糖尿病の有無などにより細かく分類されていて、各個人ごとに異なります。糖尿病のある方ではLDLコレステロールを120mg/dl以下にすることが望まれます。また、脳梗塞や心筋梗塞二次予防としては100mg/dl以下にする必要があります。数値が高いだけでは、症状は、出ません。しかし、10年の経過で見ると確実に血管はボロボロになり、脳梗塞、脳出血、心筋梗塞のリスクを上げます。
高脂血症の治療方法は?
脂質異常症の治療の3本柱は、他の生活習慣病と同様に、食事療法、運動療法、および薬物療法です。食事・運動療法を試みても十分な効果が得らえない場合には薬物治療を検討します。脂質異常症の治療薬には、主にLDLコレステロールを下げる薬や、トリグリセライドを下げる薬があります。その他、イワシやサバなど青魚に含まれる不飽和脂肪酸と同じ成分のEPA(イコサペント酸)があります。抗血小板作用と脂質代謝改善作用をあわせもち、動脈硬化の強い方に有効です。副作用もなく使いやすいお薬です。 治療薬の詳しい説明はこちら